東京都心で田舎を感じる意外なスポット 〇〇駅

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東京での生活も5年半になり、筆者も新宿駅の地下ダンジョンでも迷子にならないくらいには都会にもなれてきたつもりだ。

ただ地方出身、それも幼少期に野山を駆け巡っていたような育ち方をした筆者にとって、東京都心の暮らしはやっぱり息苦しい。

こんなマインドになってしまったときは、たいてい趣のある喫茶店や銭湯に逃げ込んでやりすごすのだが、なかなか遠出をする時間も見つからないのでどうしても田舎や自然に対する「飢え」は解消できないのだ。

そんな筆者が田舎欠乏症という話は至極どうでもよいことなのだが、似たような感覚に陥る地方出身の方も少なからずいるのではないだろうか。

 

つい最近、都心にいながらにして田舎に帰ったかのような、そんな懐かしい感覚におそわれた。

その場所がまた意外すぎた

筆者がその田舎の息吹に襲われたのは、平日休日問わず若者たちでにぎわうポップカルチャーの発信地、原宿なのである。

田舎の情緒とは正反対とも言える原宿のどこにそんな場所が存在するのかと思うだろう。筆者が見つけたその場所は夜の原宿駅のホームなのだ。

「夜」というのがひとつ重要である。昼間の混雑ぶりとは裏腹に夜は寝静まるのが早く、22時を過ぎると利用者もまばらになる。

さらに、山の手線を利用する方はお分かりかもしれないが、原宿駅のホームには「森」が隣接している。その森から草木と土の香りを蓄えた風が、ホームを吹き抜けていくのだ。一瞬どこかのローカル線の駅にいるような感覚になる。

しかし、新宿御苑でも井の頭公園でも田舎にいるような感覚に襲われたことはない。なぜ原宿駅なのか。その答えはこの「森」の生い立ちに隠されていた。

 

この森は明治神宮の鎮守の杜で、およそ100年前に明治神宮を建設する際に作られた人工林である。

だこの人工林が他と違うのは、造成の計画段階から人が手を加える必要のない、この地域の原生林に近い植生の森を作ることを目指している点である。

確かにこの鎮守の杜は他のどの公園の林と比べても、一本一本の木々は大きく、深く茂っている印象がある。

実際、造成から100年近く経過し、造成計画の最終段階である、森が自ら世代交代を繰り返す「天然林相」に到達しつつあり、「人口の天然林」が完成を迎えようとしている。

他のどこでもなく、原宿駅のホームで田舎に帰ったような錯覚を覚えたのは、案外必然だったのではないかと思う。

 

 

明治神宮の鎮守の杜についてさらに詳しい情報はこちらから。

 

日本人がつくった自然の森――明治神宮「鎮守の杜に響く永遠の祈り」

http://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/20110617/274594/